中絶について

中絶とは?

Q.中絶ってなに?

A.人工妊娠中絶とは、妊娠しても出産しない場合に、その妊娠を中断することです。日本では、ある条件のもと、妊娠22週未満(妊娠21週6日まで)の中絶が認められています。妊娠週数によって中絶の手法が異なり、日本では、初期中絶(12週未満)は日帰りまたは1泊で手術をします。中期中絶(12週以降22週未満)は数日間~1週間くらい入院して分娩をします。

Q.日本で中絶してる人はどのくらいいるの?

A.日本では他国に先駆けて1948年に中絶が合法化され、1950年代には年間100万件以上の中絶が行われていましたが、その数は減少し続けています。2017年に日本では年間16万4621件(1日あたり約450件)の中絶が報告されました。そのうち10代の中絶は約1割です。日本の16~49歳の女性のうち約4~6人に1人は中絶の経験があり、約3割は中絶を複数回反復し、約3割は初めての中絶を10代で経験しているといわれています。

法律について

日本には堕胎罪が存在しますが、母体保護法によって、以下の条件を満たした場合は、中絶することができます。したがって、「中絶」は「堕胎」ではありません。

条件その1  妊娠22週未満(妊娠21週6日まで)の妊娠であること

条件その2  母体保護法指定医が中絶を行うこと

条件その3  本人と配偶者の同意を得ること

条件その4  以下のいずれかの理由であること
①身体的または経済的理由により、妊娠が母体の健康を著しく害するおそれのあるもの
②レイプによって妊娠したもの

Q.法律の問題点は?

A.母体保護法の問題点として、以下の2点が挙げられます。

①配偶者の同意(サイン)を要すること
例えば、夫以外の相手との妊娠であっても、夫のDVによる妊娠であっても、夫の同意が必要です。自分の体のことを決められるのは、女性本人だけのはずです。

②胎児因子を理由にした中絶は認めていないこと
例えば、羊水検査の結果によって中絶を選択することを決めても、胎児因子を理由にした中絶は認められません。

同意書について

母体保護法上、必須なのは、「本人」と「配偶者」の同意(サイン)です。

したがって、未婚の場合は、妊娠の相手のサインは不要です。医療機関によっては、未婚であっても相手のサインを求めるところがあるかもしれませんが、法律上は不要です。

結婚している場合は、妊娠の相手が夫でも、夫以外であっても、夫のサインが必要です。未成年の場合、保護者のサインについては医療機関ごとに考えが異なり、必須のところもあれば不要なところもあります。これは母体保護法で定められているものではなく、医療機関独自のものです。

受診の流れ

以下に一般的な流れを示します。最低3回の通院が必要です。

1回目:初診

①問診票を書く

  • 受診理由:「分娩希望」「中絶希望」の欄に○をつけるものや、自分で書くものもあります。「妊娠した」「産むか悩んでいる」「中絶したい」など可能な範囲で書いてください。
  • 月経歴:最終月経 ○月○日~○日間 ○日周期(わからない場合は、空欄でいいです。)
  • 妊娠分娩歴:これまでの妊娠、出産の回数
  • 既往歴:これまでかかった病気(特に気管支喘息について)
  • アレルギー歴:薬や食べ物でじんましんや呼吸困難が生じたことはないか
  • 生活歴:タバコ(1日○本)、お酒(1日ビール○mlなど)

②医師の診察・説明を受ける

  • エコー検査:子宮の中に妊娠していること、妊娠週数などを調べます。
  • 中絶処置の日にちを決める:中絶するか決められていない場合は、再度受診する日にちを決めます。
  • 中絶処置についての説明を受ける:麻酔、手術の流れ、合併症などについて説明があります。わからないことや不安なことはなんでも聞いておきましょう。
  • 同意書を書く:その場で書くこともあれば、次の受診のときに同意書を持参することもあります。 (希望があれば、事前に、将来の避妊法のニーズについて話すこともできます。)

③看護師の説明を受ける

  • 注意点や中絶処置後の過ごし方などの説明があります。わからないことや不安なことはなんでも聞いておきましょう。

2回目:中絶処置(手術または分娩)

①書類を提出する:同意書などを確認します。

②処置の準備をする:着替え、点滴などをします。

③手術・分娩: 詳しくはこちら→

3回目:処置後の診察(処置から約1週間後)

①医師の診察・説明を受ける

  • エコー検査:子宮の状態を確認します。
  • 病理結果の説明:手術や分娩の際に、正常の妊娠組織であることの確認のため検査をした場合、結果説明があります。
  • 今後の避妊法について:低用量ピルやIUD/IUSという選択肢があります。 (看護師・助産師から説明があることもあります。)

中絶前に大切なこと

中絶前に最低限、次のことについて情報を与えられるべきといわれています。

  • 中絶処置中、及び処置後に行われること
  • 女性が体験しがちなこと(例えば月経のような収縮の痛み、出血)
  • 処置にかかる時間の見込み
  • どのような疼痛(いたみ)管理が利用可能であるか
  • 中絶方法に関連するリスク及び合併症
  • いつ、性交を含む、通常の活動を再開できるか
  • あらゆるフォローアップ・ケア

中絶後に大切なこと

早くて中絶から2週間後に排卵が再開し、効果的な避妊法を使用していなければ妊娠する可能性があることは必ず知っておきましょう。

日本では、中絶時の避妊の状況が、腟外射精41.2%、コンドームの使用54.7%という報告があります。日本では、海外のように女性が主体的に選択できる効果の高い避妊法の選択肢がきわめて少ないことが非常に問題です。

日本で選択できる、コンドームよりも効果の高い避妊法は、低用量ピルと子宮内避妊リング/システム(IUD/IUS)です。自分にとって最も適切な避妊法を選択するために、正確な情報を提供されることが大切です。

ただし、避妊方法についての最終的な選択はその女性のみが決められることです。 もし、かかりつけの産婦人科がない場合は、今後も気軽に受診や相談ができるかかりつけ医を見つけておくことをおすすめします。

【参考文献】

公益社団法人 日本産婦人科医会 「人工妊娠中絶」
http://www.jaog.or.jp/qa/confinement/ninsinshusanqa5/

公益社団法人 日本産婦人科医会 「母体保護法」
http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/teigen/hou.htm

一般社団法人 日本家族計画協会「中絶(人工妊娠中絶)」
http://www.jfpa.info/wh/body_information/detail/index.php?aid=68

公益社団法人 日本産婦人科医会「人工妊娠中絶に対する同意書」
http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/TAISAKU/KARUTE_PDF/PDF/typeC/C-(02).pdf

WHO 「Safe abortion: technical and policy guidance for health systems Second edition」
https://www.who.int/reproductivehealth/publications/unsafe_abortion/9789241548434/en/

公益社団法人 日本産婦人科医会 「望まない妊娠を繰り返さないために」
http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/02/24b8aaafa1f584a840da5d0fbc600d8f.pdf

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